2023年6月21日水曜日

かわいそうな男

酔い潰れてるのか倒れてるのかわからない若い男性が道端に転がっていた。介抱している連れ合いも見当たらずかわいそうだった。向かいのコインランドリーでペットボトルの水を買い肩を叩いて声を掛けるが反応がない。近くの交番に警察を呼びに行き、連れ立って元の場所に戻るとすぐ隣の居酒屋からわらわらと数名出てきて群がっており、その中に連れ合いと思しき数名の男女がいた。「あの、これ」と言ってさっきの水を渡すと、女がヘラヘラしながら「すみませんこんな奴に水なんて」と返した。寝かぶってる男が酔い潰れて迷惑かけてるのは確かだが、こんな奴呼ばわりされるのは面倒も見ないで外に放り出してるお前みたいな薄情者の方だぞと思った。今まで自分が酔い潰れたとき面倒見てくれた皆さんありがとうございます。

2023年6月3日土曜日

2023/2/18(土) Pavementのライブを観た(2)

お久しぶりです。毎回言ってるな…。今は大雨警報のプッシュ通知がひっきりなしに届いています。

実は先日ちょっとした用で福岡に帰っていて、その時運良く行きたかったライブがあったので赴いたところ、「櫻井くんまだブログPavement観に行ってないよ」と知り合いに言われたので思い出して書いています。Pavementの来日ライブがとてもよかった!という熱い気持ちを書き残そうとしたら前日の話書いたところで満足して早数ヶ月って改めて状況を書いて見たらアホすぎる。

<あらすじ>
大阪で友人と合流した櫻井。昼間はあちこち観光したり、夜は共通の友人に会って酒を飲んだりと大充実の一日を過ごした。まだPavementは見ていない。

朝10時頃には起きていたらしい。ちょっと小雨が降ってた気がする。いいや降ってたね。京都に向かう。何電車?
中学の修学旅行でも関西(奈良・京都・大阪)に行ったことがあって、その時は隣接してるだけあってかなり近いんだななどと思っていたが距離的には結構あった。記憶がいいように改ざんされてるな。1時間半くらい電車乗って、3つくらい川を超えた気がする。

ちょうど昼頃に祇園四条着。いかにも京都という感じを俺はこの辺に感じる。たぶん京都やその周辺に住んでいる人の京都観と違い、よそ者の自分は、何だかバカそうなはしゃいでる若者8割、落ち着いた夫婦1割、地元の年寄り1割、くらいの混雑した歩道に立ってキョロついている時に「ああ京都に来たな」と思う。降りてすぐ近くのちょっと歴史がありそうな、そこそこ値段のする雰囲気のいい蕎麦屋があったので入ってビール、そして蕎麦をすする。近くの席に座っていたおそらく夫婦のうち一人、ちょっとチャラついた男がヘラヘラしながら「ここタバコ吸える?喫煙所ある?」と若い女の店員に聞いて断られていたのを妙に覚えている。こういうしょうもない場面ばかり記憶して、死ぬ間際に走馬灯で見たら悲しい。

店から出た後もこの辺りは人混みが途切れない。バスで清水寺に行った。先述の京都のイメージは撤回。ここが一番ベタに京都でした。途中の参道にある土産屋で友人が般若の能面を買っていた。これを見つけてかなり嬉しそうにしていたのがちょっとショックなくらい全然欲しくない能面を「櫻井も買っとかなくていい?」と勧められたこと瞬間をまだ鮮明に覚えている。かなり喜んでいる若い男の姿に異常性を感じたのか店主もちょっと困惑していた。寺はよかったね。やっぱり寺だねと思います。

帰りはタクシーで駅方面に向かった。運転手が明日から京都マラソンでこの辺はかなり混みます、ということを言っていた。そのまま大阪に戻ってもいいくらいの時間だったけど、どうしても寄りたくてイノダでコーヒーを飲んだ。乗り換えを間違えれば開演時刻に間に合わないくらいギリギリに慌てて移動した。途中小さい乗り換えミスをしたがしばらく友人には言えなかった。色々な経路を調べてなんとか間に合いそうなことがわかった数分後にようやく「さっきちょっと乗り換えミスったんだよねいや間に合うけどさ」的なニュアンスでさりげなく言った。大阪の電車難しい、から、関西の電車難しい、に拡大された。

会場の最寄駅に着いてからコインロッカーに荷物を預けて地上に出た後最初に入れたコンビニでビールを買い飲みながら会場に向かった。この時は焦りと緊張と興奮でかなり顔がテカテカしていたと思う。

整理券の番号かなりよかったのに会場の割と後方になってしまい、いや自分がだらだら観光してるのが悪いのでみなまで言いませんが、ちょっと、とか思ってビール飲んでるうちにPavementがステージに出てきて、その時どの距離で見れるとかもうどうでもよくて目の前にPavementがいるという事実に興奮して一瞬息吸うのが難しくなった。あれだけ音源を聴いた、映像をいくつも見て一番好きなテイクを探しまくったくらい好きなバンドが実在していて目の前でこれから演奏する(かもしれない、このまま帰っても別におかしくない人たちだしな、みたいな気持ちもありつつ)のに気持ちが追いつかなくなっていた。

大好きな曲のイントロが聴こえた瞬間にヘラヘラしながら友人に目配せしたり、思わず号泣したり、みんなで歌ったりして、すごい状態だった。ずっと立っていた場所からの視界だけ覚えていてあまり詳細に覚えていない。でもあれもこれもやってた!個人的には、Give It a Dayやるんだ!の驚きがあり、改めていい曲だなと確信した。後日、来日全公演のセットリスト見たけどどの会場も似ていながらもやっぱ大阪一番よかったんじゃないか。

もっとやってくれ!短くなかった?と思いながら会場を出た。全然そんなことなくたっぷりやっていた。気持ちの問題だった。大満足!会場を出てすぐ目の前の広場にはまだ帰らない帰れない人がポツポツいた。自分もそれで、たばこを吸って気持ちを落ち着かせた。飯でも食って帰ろうかと動き出す直前に開いたインスタグラムのストーリーズで、福岡の知り合いのKさんが今日のセットリストの紙の写真をあげていて羨ましかった。見せてもらいたかったし話がしたかったからメッセージ&電話した。合流して場所を移して飲みながら話すことに。セットリストはもらった人に写真だけ撮らせてもらったとのこと。KさんはPavementが来日するたびに見に行っていて、解散する前のライブも見たらしくそれも羨ましかった。

Kさんに連れてきてもらった店1軒目。うまいし安い。Pavementの話6割、映画の話2割、Pavement以外の音楽の話1割、友人の恋愛話1割。ライブを立って見て、ここでも立ち飲みで、立ちざかりの俺たちは膝にきてたっぽい。

俺と友人はコインロッカーに預けた荷物を回収して別の店で合流することに。Kさんに連れてきてもらった店2軒目。存在は知ってる味園ビル、の中にあるバー。店主がめちゃくちゃに面白く、ビールが超うまい。後から入ってきた夫婦もPavement帰りだったらしくみんなで色々話して楽しい。夜が深まるにつれ、Kさんの酔いがどんどん回っている。写真を見返すとみんなヘラヘラしていて顔がテカっている。Kさんが取ってた宿のチェックイン時間を過ぎてしまいうちの宿にくることになった。それからもしばらく話が尽きなくて楽しい。朝5時前にもう店閉めるからと退店をうながされる。眠っているKさんを起こす。

店から宿まではかなり近かったので歩いた。帰ったら食べようと思って途中のコンビニで弁当を買ったが宿に着いたらすぐに寝てしまった。


起床。友人は早起きして(というかほとんど寝てないのではないか)増えすぎた荷物を家に送ったりしていたらしい。Kさんと自分はまだ疲労を引きずっているような感じで、無理矢理シャワーを浴びて目を覚ました。

宿を出て、ここでなんとKさんおすすめの店3軒目へ。完全に世話になりすぎてしまった。最後に行ったこの店は豚足が有名で、めちゃくちゃにうまかった。かなり並んだけど次回も並んでまで入りたいくらいうまかった。豚足以外も全部うまかった。店の雰囲気も完璧だった。ビールをがぶがぶ飲んだ。会計がかなり安い。

店を出た後、Kさんは電車の時刻を調べながら友人と話していて、自分は近くのコンビニ前でのんびりコーヒー飲みながらたばこ吸ってるうちにKさんは地下鉄の駅の階段をダッシュで降りていった。次の予定にギリギリ間に合いそうとのことでダッシュ。別れも言えず申し訳ない。2メートルの横断歩道を隔てて会釈した。(その指先の火を消して全速力で追いかけろよ)

それからは友人と2人で空港まで電車。空港に着いたら自分が乗る予定の飛行機が大幅に遅延したのでしばらく話した。たまたま手元にあった缶ビールと小さいつまみで話が進んだ。この友人とは高校からの付き合いだけど大体これからについて話をしている気がする。ただ、歳をとるごとに「これから」のニュアンスが変わっていて、昔は「自分のこれから」だったのが「自分と誰かのこれから」みたいな感じになっている。お互い、もっと器用に不安と戦えるようになれればうまくいく気がする。

友人が保安検査ゲートをくぐるのを見届けて、それから数時間、遅延した飛行機の出発を待っている間この3日間のことを考えながら、空港中のあらゆる喫煙所でたばこを吸ってみたりして時間をつぶした。